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2008年9月14日 (日)

タイトルが良ければもっと良かったのでは?(「魂萌え!」桐野夏生)

「これから先は喪失との戦いだ。友人・知人・体力・金・尊厳。数え出したらキリが無い程自分は色んなものを失うことだろう。老いてえるものがあるとしたら、それは何なのか、知りたいものだ」昨日読み終えた桐野夏生さんの「魂萌え!」という本の一節です。59歳と言う微妙な年齢で4歳年上の夫を突然亡くした何処にでも居る主婦が主人公の物語です。ゆったりとした時間を過していた主婦が、夫の死により突然何十年も没交渉だった世間に放り出されます。そこで起こる様々な出来事(生前の夫の不倫問題・子供達との財産問題・中学校からの友達とのトラブル・もう二度とないと思っていた恋など)に、翻弄され傷つき成長していく様を生き生きと描いてあります。別段何か凄い事は起こりません。多分実社会では日々普通に起こっている事を描いているんだと思います。しかしそこは桐野さんの流石の筆力で最後まで一気読み出来ました。「OUT」や「柔らかい頬」「グロテスク」の様なサスペンスや衝撃度はまったくありませんが、別のベクトルの作品としては上出来の作品だと思います。特に主人公と同年齢の女性が読まれたら、身に詰まされるものがあるのでは?と思います。ただ残念なのはタイトルです。私自身も読み出すまでは完全に秋葉系の本かと思っていたのが、実は全く違う内容にビックリした位だからです。読了後は何となくタイトルの意味は分かりますが、このタイトルでは60歳前後の主婦は手に取らないのではないかと思います。出来栄えがイイだけに残念です。

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