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2008年9月30日 (火)

死して屍拾いたい者多し(「君はフィクション」中島らも)

2004年に享年52歳で惜しまれつつ亡くなった中島らも氏の未発表作品を含む短編集「君はフィクション」を読みました。常人には全く真似出来ない破天荒な生き方を貫いて死んだらも氏ですが、こん作品が遺作ということになるのでしょうか?表紙が余りにも乙女チックな為、一瞬らも氏の作品とは思えないです。しかし内容は完全なるらもワールドでした。古典的な怪談・フリークス話・不条理話・自伝的青春話と盛り沢山の内容です。二作ほど未発表作品も入っています。遺作としての企画的意味が強いので過去の作品ほどの衝撃度はありませんが、今尚生きてガードしたの汚い一杯呑み屋でコップ酒をあおるらも氏の姿が浮かぶような、不思議な温もりを感じる小説です。ラストに娘が書く後書きも湿っぽさが無く「あーらも氏の遺伝子を受け継いでるなー」と一人しみじみしてしまいました。正直ファン以外の人にはそれ程お薦めできる作品集ではありませんが、少しでもらもワールドに嵌った人には必読の一冊です。らも氏らしいセリフがあったので最後に書いておきます。「人はみな違うのよ。あなたみたいなに調律の正しい人もいる。でも歪んだ人の方がはるかに多い。それを病理としてではなく、その人の個性として受け止めなきゃ」他の人から見たら歪みきった人生を堂々と生きたらも氏が残した、人と違う事で上手に生きられない人への応援メッセージに感じます。そこには何ともいえない愛を感じぜずには居られません。らも氏を必要とする人にの側に何時までもらも氏は存在しています。勿論片手には何らかの酒を持った状態でね・・・。

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コメント

あたくしは何といっても『お父さんのバックドロップ』が大好きです。小学校の教科書にものったなんてえ話を聞いたことがありますな。映画も多少中弛みしますが最後の格闘シーンに号泣した思い出があります。

投稿: あっきー | 2008年9月30日 (火) 23時32分

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