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2008年8月 1日 (金)

日本の夏。怪談の夏(「再生ボタン」福澤徹三)

本日から八月に入りました。いよいよ夏本番です。夏といえば怪談話が昔からつきもので、私が子供の頃にはその手の特番が沢山放送されたものですが、最近は余り放送されません。寂しいです。何でも本当に居るかどうか分からない存在(科学的に認知されていない)を、本当に居るかの様に番組を制作し放送する事に、放送倫理委員会から苦言が入るそうです。大ブームを巻き起こした占いやスピリチャル系の番組の終焉も、委員会の重圧のせいだそうです。まー確かに頭から総てを信じきってしまうタイプの人には危険な番組だし、またその特性を悪行に利用する輩も沢山出てくるので、放送に対して五月蝿くなるのも納得がいきます。しかし完全に無いとも証明できないのも事実なので、扱いは非常に難しいですね。さて世間がどんな判断をしようがその手の話が大好物な私なので、夏らしく会談話を読みました。福澤徹三さんのデビュー作「再生ボタン」という一冊です。タイトルからはもう少し今風のホラー小説を想像していたのですが、読んでみると昔から存在する王道の怪談話集でした。昔聞いた事あるような話が多いのは事実ですが、筆力がある作家さんなのでそれなりに楽しみながら読めます。物凄く怖いという感じではなく、読了後に背筋がヒンヤリ涼しくなって、自分の後ろが気になって仕方ないという感じです。これは物語力よりも筆力の成果だと思います。不思議な事を説明する文章に「ある学者が計算したところによると、地球が誕生してから、いまの世界が現在の形になる確立は、大風が吹いて偶然ジャンボジェット機が組み立てられるより低いそうだ(中略)この世で起きていることはなんでも凄い偶然の産物ってことさ。それを自分が不思議に思う事ところだけを取り出して、どうこういってもな」という一節があります。超自然的な現象を説明するには物凄く的確な一文だと思います。例えばアフリカ人と日本人が結婚したとします、出会う確立・結婚する確立なんて物凄く低いです。しかし現実ではある事です。幽霊が存在する事も確率的にはそんなに変らないかも知れません、目に見えないだけで。話が飛びましたが、怪談の王道の様な作品が並んでいますので、サクッと読みたい方にはお薦めです。但し斬新さはありません。

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