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2008年7月12日 (土)

小説というよりは危機マニュアル(「TSUNAMI」高嶋哲夫)

阪神淡路の大震災の記憶が薄れかけた今年に、東北でまたしても大地震が起こりました。地震というのは必ず起きると分かっていても日々の生活の中では危機感など皆無の状態で私達は生活しています。TVの討論番組では地震の予知なぞ無駄なのでは?とかまで議論されたりしています。完全に予知出来る日など永久に来ないと思いますが、1分でも1秒でも地震の速報が早まれば、一人でも多くの人の命が救われると思うと、やはり結果が直ぐに出なくても研究はし続けられるべきなのかもしれません。高嶋哲夫さんの「TSUNAMI」という本を読みました。タイトル通り地震のよる(津波)の恐怖を描いたパニック小説です。いきなりこの本から読んだのですが、実は「M8」という本の続編だそうです。しかし単独でも読めない事はありません(前作から続けて登場する人物達の、細かい人間関係は前作を読んだ方が楽しめるそうです)。元科学者である著者の高嶋さんは、今までも原発の話など書いてきた人です。今回も地震と津波、そしてその二次被害としての原発問題を絡めて物語は進んでいきます。流石に科学者だけあった細かいディテールは凄いですが、物語は凄い災害なのに今一つ臨場感や盛り上がりに欠けます。ドキドキ感や犠牲になる人間模様が薄いんです。正直物語としては今一つ感は拭えません。しかし津波に対する危機マニュアルとしては非常に分かりやすく現実感のある書き方がされてると思います。私自身が大きな地震を体験した事がないから、恐怖感が薄かったのかもしれませんが、経験した方には身につまされる小説なのかもしれませんね。

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