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2008年7月22日 (火)

知ってしまうと衝撃度は薄れる(「底なし沼」新堂冬樹)

元闇金融で働いていた事を活かして小説を書きつづける男が居ます。その名も新堂冬樹と言います。暴力とエロ満載で、私達が普段知る事の出来ない闇の世界をこれでもか!書き上げてあります。初めに読んだ時は本当に衝撃でした。ここまで書いていいのか?と思うほど強烈な印象が残りました。それから10年程、事ある毎に新堂作品を読みつづけてきました。今回も「底なし沼」という一冊を読みました。この本は電子書籍配信の連載を活字に纏めた本だそうです。そして内容は今回も何時もと同じく泣く子も黙る闇金の取り立て屋が主人公。読み始めて嫌な予感はしたのですが、正直何も新しい展開はありませんでした。確かにこれが新堂さんの持ち味だと言う事は理解できるのですが、何冊も読み続けているファンには少し馬鹿にされた感はあります。だって主人公や多少の細部は代われど、殆ど似たり寄ったりの物語を何度も読まされて居る感じがするからです。初めての新堂作品に触れた読者には驚きと嫌悪で迎えられると思いますが、続けて読んだ人には「またか」という言葉が出ない人は居ないと思います。そろそろ新たな展開を考えた方がいいのでは?と素人ながら思います。あとここ最近の作品の悪い癖というか、中盤までじっくり物語を描いているにも関わらず、最後はくんずほぐれつのドタバタ劇で終わる終わり方ももうお腹一杯です。1~2回は面白いですが、総てあれをされると反則技に感じます。好きな作家さんだからこそ辛口になります。芸能プロもこなしているので、そちらに時間がとられているのか?もう一度黒新堂本領発揮を望みます。

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