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2008年7月21日 (月)

犬の歴史も戦争の歴史(「ベルカ、吠えないのか?」古川日出男)

「人類の歴史は戦争の歴史」だとよく言う。愚かな生き物である人間は他の民族との戦争を繰り返す。果ては同じ民族同士でも戦いを繰り広げている現状でもあります。その人間と一番仲の良い動物である(犬)も必然的に戦争とは切っても切れない歴史を背負って生きてきました。しかしまさかここまで戦争に関わっていたとは!と思い知らされる本を読みました。古川日出男さん著の「ベルカ、吠えないのか?」という本です。この本は2006年の「このミステリーがすごい!」で7位にランクインしていたので存在は知っていました。しかし全く内容を知る前に読んだので、想像とはかなり懸け離れた壮大な物語に驚きました。正直ミステリー色は殆どありません。軍用犬として育てられた四頭の犬の目を通した壮大なる戦争の歴史物語です。世界中で起こったあらゆる戦いに、飼われた主人を守る為に闘う犬達。そこに感情は入りません。只教えられた通りに相手を倒します。長い歴史の中で子供も沢山生まれ、血筋は受け継がれていきます。そして冒頭で引き離された犬達は、何十年も後に運命的な再会をします。感動的でもあり運命のなせる技でもあります。確かに凄い本です。しかし個人的には少し距離感のある本でした。主人公が犬だからではなく、何故か感情移入のし難い感覚が最後まで拭えませんでした。歴史的背景を楽しめる方には物凄くお薦めな一冊だと思います。

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