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2008年7月31日 (木)

評価基準がよく分からない(「まほろ駅前多田便利軒」三浦しをん)

今年で出合った作家さんの中では今のところずば抜けて印象深いのが三浦しをんさんです。「秘密の花園」「私が語りはじめた彼は」を続けて読んだのですが、湿度を感じさせる文章表現に一発で嵌り、そして文章表現の上手さに感動すら憶えました。久方ぶりに直木賞と芥川章両方とってもおかしくない作家の登場だ!と一人興奮していました(過去には花村萬月がそう感じた作家さんでした)。さて予想通り第135回の直木賞をあっさり受賞しました。その作品「まほろ駅前多田便利軒」を読みました。冴えない探偵と、そこに居候する学生時代の友人の何気ない日常の風景を面白おかしく描いた一冊です。流石に直木賞作だけあって万人向けのよく出来た読みやすい出来栄えになっています。しかし三浦氏の良さは半減している気がしてなりません。あまりにも万人向け過ぎるんです。彼女の持ち味であるハードボイルド小説にも似た、こねくり回した文章表現が殆どありません。本の数箇所なんです。残念。毎回思う事ですがやはり直木賞受賞作よりその前の作品の方が出来栄えがいいという伝説は、三浦さんの作品でも同じでした。でもより多くの人に存在を知ってもらうにはこういった作品の方がいいのかもしれませんね。最後に数少ない気に入った表現の中から一文紹介します。(鉋は時を削る道具だ。刃をあてて引くたびに、時間のおりが薄くはぎとられ、眠っていた木の香りがやわらかく漂う)美しい。次作は持ち味である繊細な文章盛り沢山で酔わせてください。期待しています。

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