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2008年6月17日 (火)

ライトハードボイルドのお手本(「帰ってきたアルバイト探偵」大沢在昌)

大沢在昌という作家が居ます。「新宿鮫」というシリーズ物が代表作で、昨年シリーズ最新作「狼花」も好評の超売れっ子作家です。しかし大沢氏もある時期までは全く売れず「永久初版作家」とさえ呼ばれていました。その殻を破った作品があります。高校生が探偵として大活躍する「アルバイト探偵」のシリーズです。「新宿鮫」でブレイクする前の代表作だけあってこちらもシリーズ化されています。今回シリーズ中最新作にして六作目の「帰ってきたアルバイト探偵」を読みました。「新宿鮫」シリーズとここ数年の大沢作品は殆ど読破しているんですが、この「アルバイト探偵」シリーズは初読みでした。いきなりの六作目からのスタートでしたが、それ程違和感無く読み始めることが出来ました。何時もの硬質のハードボイルドとは違い、かなり軽快な感じで物語りは進んでいきます。しかし起こっている事件は格兵器を巡る国際的な問題です。高校生が主人公という点と、事件が大きな国際的テロというギャップがありえない度が高くて、逆にイイ意味で笑いながら読み進めます。勿論現実世界では絶対にあるはずも無く、その世界観にはまり込むことは出来ません。しかし漫画や映画の様に架空の世界には上手く誘ってくれます。流石に大沢さん上手いです。あまりにも安易なタイトルからして今まで避けていましたが、結構面白かったです。ハードボイルドを読んだ事の無い人には、入門編としては取っ付き易い作品だと思います。

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受信: 2008年6月17日 (火) 16時56分

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