« 酷い内容+酷い邦題=何故か癖になる映画(トロマ映画) | トップページ | じゃあ国民やめた!(「サウスバウンド」奥田英朗) »

2008年4月 7日 (月)

半自叙伝的作品(「東京物語」奥田英朗)

世間では「Rー30」とかいう企画CDが大ヒットしているそうな。人生の折り返しを迎えた世代が、自分の青春時代に聞いたヒット曲を懐かしみ、この企画CDが大ヒットしているそうです。やはり歳をとると二度とは戻れない青春時代を振り返りたくなるものなんでしょうね。同じ様に自分の青春時代を小説化した作品を読みました。「空中ブランコ」で第131回直木賞を受賞した奥田英朗さんの「東京物語」を読みました。この作品は愛知県出身の主人公が18歳で高校を卒業して東京に出て、紆余曲折の青春時代を過した29歳までを連作短編で綴った作品です。作者である奥田氏が岐阜県出身で高校卒業後東京に出、コピーライターや雑誌編集者を経て作家になったという経歴を考えると、半自叙伝的な作品だという事が良く分かります。それぞれの話にその当時の出来事が織り込まれていて、その事で詳しく時代設定を書かなくても読み手側が時期を創造できるという上手い手法がとられてています。例えば「ジョン・レノン殺害」「キャンディーズ解散」「巨人江川の初先発」「バブル」など、その時代をリアルタイムで生きて来た40オーバー世代には、一発で自分の青春時代と重ねる事が出来る事件です。正に昭和の後期の香りがプンプンします。現在の先の見えない迷走する日本とは違い、この時期は明るい未来に溢れていた時代です。そのキラキラさが物凄く表現されています。特別な事件が起こるわけではない淡々とした日常生活を描いているだけですが。読んでいると自分の事の様に懐かしんで読んでしまいます。出てくるミュージシャンの名前も(トム・ウェイツ エリック・クラプトン ポリス シンディー・ローパー)などで、時代を感じさせる小道具としての役割を果たしています。決して凄い小説ではないですが、この世代の人が読んだら少しウルッとくる小説だと思います。明日も奥田氏について書きます。

|

« 酷い内容+酷い邦題=何故か癖になる映画(トロマ映画) | トップページ | じゃあ国民やめた!(「サウスバウンド」奥田英朗) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 半自叙伝的作品(「東京物語」奥田英朗):

» 川上未映子 [川上未映子]
川上未映子 [続きを読む]

受信: 2008年4月 7日 (月) 13時04分

« 酷い内容+酷い邦題=何故か癖になる映画(トロマ映画) | トップページ | じゃあ国民やめた!(「サウスバウンド」奥田英朗) »