« 現実味は薄れたが物語としてはスケールアップ(「ハゲタカ2」真山仁) | トップページ | お断り「エイプリールフールネタではありません!」 »

2008年3月31日 (月)

日暮らしパソコンにむかいて(「日暮らし」宮部みゆき)

気が付けば三月も終わります。今年も既に四分の一終わったと言う事です。昨夜は私の経営する日本酒専門店「天に月、地に山」で毎年恒例の(竹の子の会)を開催しました。使った竹の子は私自ら朝掘りしてくる土の上に出る前の竹の子の子です。竹林の中は時間や時空を超えた神秘性があり、黙々と掘っていると現代で生活しているのが幻で、竹林を抜けたら実は江戸時代なんて妄想したりします。今回特に強くそんな妄想をしたのは、丁度宮部みゆきさんの「日暮らし」を読んだ直後だったからです。この小説は時代小説で「ぼんくら」という作品の続編です。前作より約1年後の設定で物語りは始まります。始めは四つの短編が書かれています。一見何のつながりも無い四話の短編が本編となる(日暮し)という話に集結します。この辺りの展開は「流石宮部氏!」と唸らせる位のテクニックです。登場人物達も皆魅力に溢れています。美形で賢い弓之介・記憶力抜群のおでこ・節介焼きの煮炊きやお徳・そして総てを見守る平四郎、どのキャラクターも活き活きと物語の中で活きています。正直最近の宮部作品はあまり面白い印象が無かったんですが、この作品は面白かったです。宮部氏は現代小説より時代小説のほうが良い物を書ける気がするのは私だけでしょうか?今回印象に残った言葉は弓之介が師匠に言われた言葉です。「世の理は計れるところばかりに表れるわけではございません(中略)物を計る稽古は積んだ。これからは計れぬところを良く見て考えるように」という言葉です。含蓄ある言葉ですね。お薦めの一冊ですが、前作「ぼんくら」を読んでから必ず読むように気をつけてくださいね。

  

|

« 現実味は薄れたが物語としてはスケールアップ(「ハゲタカ2」真山仁) | トップページ | お断り「エイプリールフールネタではありません!」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 日暮らしパソコンにむかいて(「日暮らし」宮部みゆき):

« 現実味は薄れたが物語としてはスケールアップ(「ハゲタカ2」真山仁) | トップページ | お断り「エイプリールフールネタではありません!」 »