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2008年2月 9日 (土)

元ネタはシム・シティか?(「MM9」山本弘)

昔任天堂のスーパー・ファミコン用ソフトに「シムシティ」なるゲームがあった事を知っていますか?プレイヤーが架空の町を作り上げ大きくしていくのですが、その過程で様々な問題が生じ、上手にクリアーをして行くと人口が増え町が大きくなっていきます。自然災害も起こり、挙句の果てには怪獣が登場し町を目茶目茶に破壊したりしました。そのワクワク感を再び感じる事が出来ました。それは台風や地震と同様に災害をもたらす存在として怪獣が存在する世界をテーマにした一風変った小説を読んだ事でもたらせれました。昨年の読書の中でもベスト3には確実に入るだろう名著「神は沈黙せず」山本弘さんの「MM9」という本です。MMとは(モンスター・マグニチュード)の略で、怪獣の規模により地震と同じ様にMM警報が発生されます。そしてその怪獣を退治する方法を考えるのが気象庁特異生物対策部、略して(気特対)と言います。5話の短編からなるんですが、それぞれに特色のある怪獣が現実の日本に登場します。もちろん在り得る事ではないので完全なるフィクションですが、作者である山本氏は大真面目に書いています。その点がこの小説が只の怪獣小説では終わっていない凄い所です。あたかも本当に怪獣が存在するかのような物理法則を延々と説明したり、怪獣が当然の様に存在する世界なので、登場人物達が必要以上に大騒ぎせずに冷静に対応するあたりは拍手を送りたいです。その辺りは馬鹿本である「空想科学読本」を思い起こさずにはいられませんでした。そして皆さんが普通に思い浮かぶのは間違いなく「ウルトラQ」でしょう。ウルトラマンの様なスーパーヒーローは登場せず、人間の力だけで怪獣退治をする。正しく「ウルトラQ」そのものです。間違いなく作者も子供の頃にウルトラシリーズにのめり込んでたハズです。故円谷英二さんの残した遺産が、ここでも素晴らしく花咲きました。馬鹿馬鹿しい事を大真面目に書いた「バカミス」ならぬ「バカSF」の秀作です。まー難しい事は考えずに読んで下さい。所々で笑えますから・・・。

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