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2008年1月 6日 (日)

嫌な話書きよるな~

そもそも人間が持つ嫌な部分とはなんでしょうか?日常生活を何気なく送っている人々の笑顔の裏に、普段は滅多に顔を出さない人間誰しもが産まれながら持つ悪意が存在します。私にはそんなモノは無い!と言いきれる人は居ないと思います。どんな人でも人生の中で他人に対して悪意や憎悪を一度は感じた事はあるはずですから。しかし大半の人はその嫌な気持を、理性や世間体を気にして表に出さないようにしています。小説や映画はその普段は見えない内臓部分をこれでもか!というくらいさらけ出し、読者を驚愕させ自分自身が持つ同類の嫌な部分に目を向けさせられます。そんな人間の持つ嫌な部分を描き出すのが上手い作家さんが居ます。その名を高田侑(たかだ・ゆう)と言います。高田さんの作品は以前に「うなぎ鬼」という作品を読んでいますが、小説でもあまり触れない怪しい部落を独特の色合いで描き出し嫌な感バリバリの読了感でした。その本が二冊目でデビュー作が第四回ホラーサスペンス大賞を受賞してデビューしています。今回読んだのはその受賞作である「裂けた瞳」という本でした。ホラーサスペンス大賞とはいってもそれ程怖い話ではないです。加えてラストには家族愛みたいなテーマも盛り込まれていて、ホロッとさせる部分まで用意してあります。唯一ホラーを感じさせるは、主人公と不倫相手の女性が(身抜け)という相手の波長と同化し目では見えないものを感じ取ると言う特異体質だという点です。でもこの設定は必要だったんでしょうか?読み終わってあまり必要性は感じませんでした。デビュー作にありがちな、兎に角何でも詰め込もうと言う感じがそのまま出た感じであります。それでも所々で感じさせる人間の嫌な感情の出し方は、既にこの作品でも発揮されており読んでいてゲンナリさせられました。作者が意図的にやっているのかどうか分かりませんが、この部分が持ち味である事は間違い無いです。今後も人間の持つ闇をこれでもかと曝け出す作品を書くんでしょうね。心して待っています。

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