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2007年12月25日 (火)

作者の掌で踊らされる

我孫子武丸(あびこ・たけまる)さんの「弥勒の掌(て)」という本を読みました。この本は作者にとって13年ぶりの書きおろし中篇です。その13年前の書き下ろしが、作者の最高傑作と誉れの高い「殺戮にいたる病」という本でした。作者の本を読むのはこの本以来の二作目です。「2006年このミステリーが凄い」の19位にランクインしていたので、気になっていた一冊でした。さて内容ですが、教え子と浮気をした過去を持つ冴えない高校教師と、汚職に手を染める刑事が主人公です。教師の妻が失踪し、刑事の妻が何者かに殺されます。それぞれが捜査を始めると一つの宗教団体の存在が浮き彫りになってきます。如何にも怪しいその宗教団体を探るうちに二人が出会い、協力し合って謎を解いていくのですが、その結末には驚愕の真実が!という作品です。個人的には物凄く満足の一冊でした。基本的には「殺戮にいたる病」と同じく、ラストで明かされる驚愕の真実に向かって読者をミスリードしていくのですが、数ある叙述系のものと違いわざとらしさが感じられず、気持ちよくラストまで引っ張られました。(当然の事ですが)筆力も13年前より格段に上がっていて読みやすかったです。長さも丁度良いので万人向けではないでしょうか?しかし内容よりも一番驚いたのが、この本を読み終えたと同時に、現実の世界で神奈川県警警備部(公安)の警視が霊感商法に関与していたというNEWSが流れた事でした。本の中でも新興宗教と警察上層部の繋がりが描かれていて、余りのタイミングにビックリです。最近は物語の中の出来事とばかり思っていた事柄が、実際に起こるから怖いです。そんな現状を知った上で読むと更に面白かもしれません。

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