« 人をくった様な小説 | トップページ | 羊毛の様な手触りの音楽(LIVE IN LIVING’07」 羊毛とおはな) »

2007年12月11日 (火)

純エロ文学

「ALWAYS 三丁目の夕日」のヒットを受けて世の中は昭和ブームだそうだ。殺伐した現代より、皆が貧しく助け合って生きていた昭和の初めは、現代人には何となく優しくも懐かしくも感じるらしい。冷たい男なのかもしれないが私は何か薄ら寒い。同じ時代を全く違う視点で物語を紡ぐ怪女が居ます。大正~昭和初期の岡山の片田舎を舞台にした作品を何かに憑かれたように書きつづける岩井志麻子という物の怪です。「ぼっけぇ、きょうてぇ」という歴史に残る作品で一気に文壇デビューした彼女ですが、今の時代に日本古来の怪談話の様な物を書けるのは彼女しか居ないのでは?と思うくらいの衝撃的なデビューでした。その後も彼女にしか書けない作品を連発しつづけますが、現代を舞台にした話は今一つだし、デビュー作の衝撃が強すぎて中々それ以上のインパクトを残せずに居た気がします。それでも個人的には好きな作家さんなので新作を見つければ必ず読んでしまいます。そして要約デビュー作と同じくらいの衝撃的な作品に出会いました。その名も「魔羅節」と言います。タイトルからしてエロ炸裂です。8話からなる短編集なんですが、それぞれのタイトルもエログロです。(乞食柱)(きちがい日和)(おめこ電球)(金玉娘)(支那艶情)(淫売監獄)(方輪車)おーい!放送禁止用語の連発だ!岩井嬢は確信犯です。デビュー作と同じく岡山弁で語られる、淫靡で猥雑で禍々しい話のオンパレードです。でもそこにはエログロだけではなく、人間の性、つまり男と女の本能が捻じ曲がった形で溢れかえっています。凄いです。久方ぶりに岩井嬢の本領発揮というところでしょうか。「ALWAYS」の様な健全な昭和でなく、生きていくだけで精一杯だった貧困な農村の悲惨な生活もリアルな昭和です。今以上に地域格差は激しかった時代ですからね。食べる物が無くてお金が無くても性という人間の本能だけは枯れる事がありません。そんな淫靡な女性を書かせたら本当に岩井嬢は凄いです。半分その時代の女性が憑依しているのでは?と思うくらいです。文庫化にあたり作家であり演出家でもある久世光彦さんが解説を書いていますが、これがまた名解説です。昭和出身の作家でなければ書けない世界を堪能してください。この本を読んで恥ずかしいとか破廉恥だと思う方、隠す事無く自分を解放して下さい。生きるのが楽になるので・・・。

|

« 人をくった様な小説 | トップページ | 羊毛の様な手触りの音楽(LIVE IN LIVING’07」 羊毛とおはな) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 純エロ文学:

» 吉野公佳 フライデーで見せた「淫靡なカラダ」これが【問題】の「衝撃画像」だッ! [吉野公佳 フライデーで見せた「淫靡なカラダ」これが【問題】の「衝撃画像」だッ!]
吉野公佳 フライデーで見せた「淫靡なカラダ」これが【問題】の「衝撃画像」だッ! [続きを読む]

受信: 2007年12月11日 (火) 13時15分

« 人をくった様な小説 | トップページ | 羊毛の様な手触りの音楽(LIVE IN LIVING’07」 羊毛とおはな) »