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2007年11月15日 (木)

復讐するは誰にあり

日本の歴史上(仇討)という行為が許されていた時期がありました。親や恋人などの身内を無残に殺された場合に、復讐をしてもイイという行為です。今考えれば物凄い事が許されていたなーと感じますが、愛する人を殺された人達にとっては当然という気持なんでしょう。そんな復讐をお金で代わりに遂行するドラマがありました。そうです必殺仕事人です。そして警察では出来ない捜査を裏でして、普通では逮捕できない裏で暗躍する悪の尻尾を掴み成敗するドラマもありました。こちらはハングマンといいます。その両方の要素が詰まった本を読みました。貫井徳郎さんの「殺人症候群」です。この本は貫井さんの著者の中では唯一にシリーズ作品であります。「失踪症候群」「誘拐症候群」に続いての三部作目であり完結編でもあります。前ニ作は正にハングマンで、警察秘密組織となり表立って捜査できない事件を極秘裏に動き解決していくという痛快なエンターティメント活劇でした。しかしこの完結編は少し毛色が違いました。前記したように今回の相手は身内を無残に殺されて人の代わりに相手をお金で殺す必殺仕事人の様な存在です。さわりを聞くだけでもワクワクしませんか?大活劇の予感を感じながら読みだしたのですが、予想を裏切って結構重たい話でした。ハングマンと必殺仕事人に加えて、臓器移植を待つ母親の殺人、そしてハングマンチームのリーダーの意外な過去が絡み合って物語りは予想も出来ないほど大きくなっていきます。これだけ大風呂敷を広げて大丈夫だろうか?と心配していましたが、案の定終わり方はスッキリしない今一つな終わり方でした。面白く無い事は無いのですが、様々な要素を詰め込みすぎて今一つ主題がまとまらない気がします。元々人間の心の闇みたいな物を描くのは得意な作者ですが、このシリーズではその点を抑えて楽に読めるエンターティメント小説に徹底して欲しかった気がします。でも本の中に登場する復讐を望む人達の気持は物凄く理解できます。仇討にかわり何かが今の現在もあってもいい気がします。

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