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2007年11月24日 (土)

トリックの無い超能力は無い!

常々言ってますが私が読む本の9割は古本屋で購入したものです、それも100円コーナーです。初めから狙って探す作家さんが殆どですが、何となく気になって購入する知らない作家さんも多数あります。そんな衝動買いにも似た直感買いは時に素晴らしい本に出会わせてくれます。最近見つけた本も結構お気に入りの一冊となりました。出会った作者の名は戸井十月(とい・じゅうがつ)と言います。全然知らなかったんですが、日本パンク映画の名作「爆裂都市」(石井聡互監督)の原作者でした。映画はもう20年前に観たのに全然ノーチェックでした。今回読んだ本は「デウス」という一冊で、インチキ宗教のトリックを丁寧に暴いていく内容でした。そこにブラジル移民の恨みが加わりミステリー風の味付けもしてあります。一読して故中島らもの名作「カダラの豚」を思い起こさせました。戸井さんの作品の相手は元手品師の偽物に対して、らも氏のは本物の超能力者。加えてらも氏の方がエンターティメントとしては面白さ大です。また宗教に嵌っていく人間の愚かさを描いた部分では新堂冬樹氏の「カリスマ」には足元にも及びません。更にブラジル移民の苦労を描いている点は垣根涼介の「ワイルドソウル」には勝てません。どの分野にも既に名作といわれるモノが存在していますので、私には少し物足りなさを感じました。しかしこの本が出た当初、中島らも氏の本以外は未だに発売をされていない状況です。そう考えるとこれだけの面白い要素をこの時期に総て詰め込んでいた戸井氏はかなり先見の明ありです。もし他の三作品を読む前に出会っていたらもっと感動していた本だと思います。何でも戸井氏はバイクで世界横断を決行してるみたいです。その経験を元にもっと面白い本を書いてくれることを楽しみに待ちます。

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