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2007年9月30日 (日)

SFティストのホラー

そもそも物書きという分野は文系人間の特権の様な職業だったはずです。しかし昨今はそうとばかりは言っていられない状況となっています。理系出身者達が、それぞれの専門分野(医学や薬学や数学など)を活かして、文系人間には到底書けない小説を世に送り出してきます。根っからというか何代も前の家計を遡っても文系一族の私には、この作家が理系なのか文系なの割と高い確率で分かります。例えば作者の大学の学部が文系でも、元々は理系の脳をしている人だと割と高い確率で感じ取れます。やはり個人的に理数系アレルギーの体質が、自分に合わないものを感知するんでしょう。ホラーミステリーという分野があります。個人的にはかなり好きな分野で、今まで文系作家の天下だったんですが、瀬名秀明(パラサイト・イブ)の出現辺りから理系のホラーミステリー作家が増殖しています。確かに専門的な知識を読めるのは楽しいですが、文系脳の人間には今ひとつ理解が難しい点も多々あります。昨年の「このミステリーがすごい!」で堂々の1位に輝いた平山夢明(ひらやま・ゆめあき)さんの「独白するユニバーサル横メルカトル」も文系脳には少し難しい一冊でした。「このミス」で1位とったんですが、ミステリーではありません。分野分けするとしたらSFホラーでしょうか?ミステリーマガジンよりSFマガジンを愛読している人に受け入れられる様な話のオンパレードです。確かに1位を取る位なので、独特の世界観とスタイリッシュな文章にはかなり特筆するものが感じられます。しかし続けて何作(この本は短編集です)も読むと頭がショートしてきます。難しい文字や記号が多すぎます。加えて感情をあまり感じさせないクールな文体には今ひとつ世界にはまり込めません。読者を突き放す事が作者の狙いなんでしょうが、文系人間にはその点が今ひとつ好きになれません。どんな残忍な殺人鬼や、どんなグロイ怪物でも、何処かシンパシーを感じる点があると世界にもっとはまり込める気がするのは私だけでしょうか?現在の日本の若者の様に、コミニケーションをあまり好きでは無い世代には、この距離感と言うのは気持がいいのかもしれません。私の評価はソコソコですが、世間的には傑作と呼び声が高いので、感性が合う人には物凄いパワーを持った本だと思います。内容はさておき装丁とタイトルは◎です。エイリアンのデザイナーであるH・R・ギーガーの世界観です。

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