« 人生の句読点 | トップページ | 昼ドラの様な薄い味 »

2007年9月22日 (土)

またまた実際の事件をベースにした作品

殺人事件がそれ程特別な事でなくなったしまった現代です。一昔前は殺人事件が起こればあらゆる報道がお祭り騒ぎの様に報道合戦をする程珍しい事件だったはずなのに、今やNEWSを聞く私達もそれ程驚きなど感じません。あまりの多さに麻痺してしまったのか?はたまた世の中全体がおかしくなっている事をヒシヒシ肌で感じているので、事件が起こる事自体ありえる感を既に容認しているからかもしれません。それでも余りにも残忍な殺人事件や色合いの違う事件は私も記憶に残っています。皆さんは1999年に東京文京区で実際起こった事件で、俗に(お受験殺人)と呼ばれた幼児殺人事件を覚えていますか?長男同士が同じ幼稚園に通う、近所の主婦同士で根深い恨みがあり、山田みつ子(実名)が恨みをもっていた主婦の娘を殺害して埋めた、という事件です。犯人と被害者の娘同士が(お受験)を受ける予定になっていたので、マスコミは(お受験殺人)と騒ぎ立てました。しかし実際の殺人の理由は(お受験)にはなく、以前より積もり積もってきた全く性格の違う二人の間に徐々に深まっていった確執が原因でした。この事件をベースにした本を読みました。新堂冬樹さんの「砂漠の薔薇」という本です。設定はホボ事件と同じです。違う事は犯人と被害者の母親が子供の頃からの同級生で、犯人は性格が暗くその上中流家庭、被害者は明るくリーダー的存在でお金もあります。お互いの娘を有名幼稚園に入れるために日々総てをその為だけに生きています。そんな毎日の中で、ある日突如積年の想いが弾け相手の娘を殺して埋めます。この辺りは事件と同じです。その理由は受験における相手を蹴落とす為ではなく、もっと根の深い理由でした。実際の事件と同じく(お受験)は只の引き金であった事をじっくり描き出しています。まー毎回言いますが実際の事件にかなう事は難しいので、この作品も少し消化不良な気がします。何時もの新堂氏ならではのグロさも全くありません。評価はソコソコといったくらいでしょうか?それにしても、実際の被害者となった家族はこの本を読んだらどう思うのでしょうか?あくまでもフィクションとして書かれていますが、やはり事件と同じ点は多々書き出されています。子供を殺して黒い大きなバックに入れて運ぶシーンなんて、実際の事件と全く同じです。リアルに憶えていた私には結構ショッキングなシーンでした。別の意味で興味深く読んだ一冊でした。しかし殺人者の心の闇は小説では描ききる事はありえないと思います。人間の心の闇など、本人でも把握出来ない程深くて暗い気がします。

|

« 人生の句読点 | トップページ | 昼ドラの様な薄い味 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: またまた実際の事件をベースにした作品:

« 人生の句読点 | トップページ | 昼ドラの様な薄い味 »