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2007年6月15日 (金)

本格ミステリー好きにはお薦めできない本格

本格ミスステリーという言葉があります。一体どういった定義なんでしょう?私も明確な答えは分りませんが、やはりミステリーと言うくらいですから、謎があり答えがエンディングまでにちゃんと納得いく解明がされる物語を本格ミステリーの定義として個人的には自覚しています。私は大まかなジャンルではミステリー好きと言ってもいいのですが、謎解き(トリック)中心のミステリーには殆ど面白さを感じません。つまり本格ミステリー好きでは無いという事です。昨日読んだ歌野晶午(うたの・しょうご)氏の「世界の終わり、あるいは始まり」は、本格ミステリー好きが読むと怒りが収まらない程の投げっぱなしの終わり方でした。しかし個人的には結構好きです。その辺りはミステリー好きの中でもかなりの賛否両論が飛び交っていたのは、以前から噂で聞いていたのですが、実際自分が読んでみて「これは揉めるなー」と実感しました。前半は純然たる王道ミステリーです。東京郊外の家の周りで多発する幼児誘拐殺人事件。ひょんな事から自分の息子が事件の犯人かも?と疑いを持った主人公が独自に息子を調べると、確実に犯人としか思えない証拠や状況がどんどん発覚します。果たして息子が本当に殺人者なのか?その後の展開は!ここまでは一気に面白く読めます。さて問題はここからなんです。ネタバレになりますが、ここからは主人公の妄想の繰り返しで話が進んでいきます。ここが好き嫌いの分れる点です。初めの一回までは驚きも騙された感もありますが、何回も続くと少しくどくなります。待てよ?これと同じ手法をとっていた小説が過去にあったよな~。純然たるミステリーファンなら気付きますよね、そうです直木賞受賞作でもある桐野夏生さんの「柔らかい頬」です。この作品も初めに起こった幼児失踪という事件だけ設定した後は、ひたすら主人公の妄想というか可能性のある謎解きの仮説で話が進んでいき、結果エンディングを迎えても犯人も謎も解明されず終わる。この時もかなり賛否両論あったのを思い出しました。桐野さんの作品が1999年で、歌野氏が2002年。やはり桐野氏の作品のほうが断然早いです。これがなければもっと評価出来たのですが・・・。惜しい!それでも私個人はかなり楽しく読めた本です。本格でなくても楽しめる方にはお薦めします。

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