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2007年6月24日 (日)

今時珍しい真っ当な冒険小説

前にも書きましたが、ミステリー好きの私ですが設定があまりにもワールドワイドで現実味が無いとあまりその世界観に嵌り込めない性質です。CIAやFBI、傭兵やテロ集団、加えて陰謀の大きさが世界を覆すほどの大きな陰謀だと、島国で育った小市民の私にはどうしてもリアル感が薄すぎてどこか距離を置いて読んでしまいます。なのでその手の本には滅多に手は出さないのですが、今回笹本稜平(ささもと・りょうへい)氏の「太平洋の薔薇」に恐る恐るですが手を出しました。何故かと言うと今まで読んだ笹本氏の作品が自分に合っていたという点と、かなり個人的には信用の置ける賞である第6回大藪春彦賞を受賞していたからです。さて心して読み出しました。大まかなストーリーは解説で分って読みだしましたのでホボその通りでした。最後の航海となる予定だったベテラン船長の船が謎の集団にシージャックされます。目的は或るモノを極秘裏に運ぶ事。その或るモノが厄介なモノで、解毒剤の存在しない最強の細菌兵器だったのです。逃げ場の無い海上という設定で緊迫感が否応に無く高まります。その一方陸地でも不穏な動きが、又全く関係の無い様な豪華客船の上でも重要なストーリーが進んでいきます。別段話しに新しさは全くありませんが、、物凄く丁寧に熱のこもった書き方でグイグイ小説の世界に引きずり込まれていきます。ミステリーでは無いので大どんでん返しなどありませんし、何となく終わり方も想像できます。しかしそんな事はどうでもイイ位、海の男達の男気に胸を打たれます。不覚にも最後の数ページでは涙ぐんでしまいました。これぞ真っ当な冒険小説です!設定に苦手感はあって不安でしたが、物凄く堪能出来ました。やはり笹本氏とは相性が良いみたいです。女性よりも俄然男性に読んでもらいたい一冊です。星☆☆☆です。

 

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