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2007年5月28日 (月)

よくぞこれほどの大風呂敷を纏めました

さて本日も綾辻行人(あやつじ・ゆきと)氏の8年ぶりの超大作「暗黒館の殺人」について書きます。作日も言いましたが非常に苦痛な上巻654ページを終え、下巻に移りましたが下巻も639ページ。んー弁当箱級の厚みです。これで上巻と同じく辛かったら、まるで修行だなーと思いながら読みだしたのですが、イイ意味で予想を裏切り下巻は一気読みしてしまうほど面白かったんです。ミステリーの基本である密室殺人や、次々と明かされる館の隠し扉などの秘密。加えて館に住む人たちの過去の秘密や驚愕の新事実!上巻で散りばめられてきた謎や種が一気に開花します。もう読むのを辞める事は出来ないほど、次から次へと怒涛の展開でした。そうです綾辻節全開なんです。上巻と下巻でこれほどの差がある本は珍しいです!(と思ったのですが、昨日も名前の出た京極夏彦の「塗仏の宴」は、綾辻氏とは全く逆で前半が物凄く面白くて、後半が結構辛かった記憶が蘇りました)。兎に角後半だけでいったら10点中9点近くは挙げられる出来栄えです。綾辻氏自身も上巻を書きながら、話や館の謎を大きくし過ぎてかなり梃子摺ったに違いありません。読んでいる側にその苦悩が伝わる上巻です。本人も「もう二度とこれほどの大作は書きません!」と公言しています。それでも館シリーズは今後も続くそうです。何年先になるかどうか分りませんが、館フアンとしてはじっくり待ちます。綾辻フアンでない人には、お薦めできませんが、館シリーズを全巻読破した人には読んでもらいたい大作です。その際は上巻の辛さに負けずに下巻まで進んでください。後半の面白さは私が保証します。

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