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2007年4月15日 (日)

元ホームレスが書く生き様

私みたいな若輩者が言うのも何ですが、長い事生きていると様々な事が起こり生きていく事が嫌になってしまう位の心境に陥ったりします。幸い自分はそこまでの大変な目には未だあっていませんので、何とか何気ない日常を生きています。しかし世間にはまるでドラマや小説の様な波乱万丈の人生を送っている人達が沢山居ます。そんな時やはり何もかも嫌になってしまうんでしょう、時に自殺したり時に失踪したり時に犯罪に手を染めたりします。そこから立ち上がるのは相当の気力が要る事だと思いますが、真面目なサラリーマンから一転してホームレスにまで落ち込み、そこから這い上がり作家になった人が居ます。その名を新野剛志(しんの・たけし)さんと言います。自分に嫌気が差し三年間ホームレス生活をし、そこから発奮し「八月のマルクス」という作品で第45回江戸川乱歩賞を受賞し文壇デビューを果たしました。過去に読んでいますがそれ程印象には残っていません。そして今回二作目「もう君を探さない」を読みました。元教え子の自殺を止められなかった事を傷として抱える現役教師に降りかかる殺人事件。殺されたのは教師の知り合いのヤクザ。あらぬ疑いをかけられてヤクザから追われる身となり、自らの手で真犯人を探し出す、という内容です。まーストーリーとしてはベタです。しかしこの作者の持ち味としては、主人公の抱える傷が生み出すみっともない生き方に拘った所にある気がします。ハードボイルド的な生き方と言えば相通ずる点はあります。読了後に「もう君を探さない」というタイトルが物凄く意味を持つのが分ります。一作毎にレベルが上がり作者の持ち味が明確になってきている気がします。明日はその辺を絡めて三作目に付いて書きたいと思います。

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