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2007年4月 3日 (火)

遠回りする楽しさ

本日も今話題の村上春樹氏訳の「ロング・グッドバイ」について少々書きたいと思います。50年以上も前に書かれた作品が何故今になってもこれほど騒がれるのでしょうか?勿論日本においては村上春樹氏の人気がかなりのウエィトを占めていると思われます。村上氏のファンで、今回初めてチャンドラー作品に触れる人も多いと思います。それほそれで素晴らしい事です、ハードボイルドの古典的名作ですから何かのキッカケで読まれることは喜ばしい事です。それとは別に日本中に確実にハードボイルドファンというのは少数ですか存在しています。その方達の表現を借りると「ハードボイルド小説は、ゴールを楽しむのではなく、そこに行き着くまでの経過や細部を楽しむ小説である」との事です。確かに何百冊ものミステリーを読んできた自分にとっては謎もドンデン返し感も薄いです(その当時は新しかったんだと思いますが・・・)。それでは何が魅力かと考えると、やはり細部のセリフ回しなのでは?と思います。世界的な有名なセリフとしたら「さよならを言うのは、少しだけ死ぬ事だ」とか「警官にさよならを言う方法はまだみつかっていない」といったセリフになると思いますが、個人的に今回気に入ったセリフを書き出してみると、「面倒を引き受けるのが、そもそも私の職業なのだ」「君は総てを持っているが、同時に何も持っていない」「女というものの総てを知る事は誰にも出来ない」「私の職業では、相手に質問をするべき時があり、相手が自ら語り出すのを黙して待つべき時がある」などのセルフの数々です。この独特の言い回しや、物事を説明する時(相手の風貌や風景の説明や自分の心情など)のまわりくどい(笑)説明にこそ魅力があるのです。また頑固なまでのマーロウの生き方は、今の時代では化石の様な前時代の生き方です(その時代でもかなりの頑固者)。事件に巻き込まれ、友人に騙され、痛い目に合うにも関わらず、得た収入は経費のみ。考えられない生き方ですね。今回再読してハッキリした事の一つに、探偵(ここでは主人公に限っての事)の収入です。文中に「1ヶ月よくて7百50ドルのかせぎ」という事実が書いてあります。時代が違うのでその当時の7百50ドルの価値は分りませんが、それだけの収入でしかないのです。それなのに意地を貫き通すマーロウ本人が一番の魅力なんでしょう。とても真似出来ない生き方です。超個人的意見ですが、再読して感じた事ですが京極夏彦の語り口も、もしかしたらマーロウ的なのではと感じてしまいました。まー少なくても読んでない事はないでしょうから・・・。

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7日、土曜の夜、7時頃にでも伺います。

投稿: アーチャー | 2007年4月 5日 (木) 15時56分

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