« 引き算の料理 | トップページ | 素材は違っても味は同じ »

2007年3月16日 (金)

算数でなくて数学

生まれながらの超文系人間で、子供の頃から算数の授業が大嫌いだった私ですが、中学までの数学までは何とか理解の範囲だったのですが、高校に入ってからの高等数学にはトンと歯が立ちませんでした。その時に今でも印象に残っている出来事があります。とある数学の授業で何かの問題を黒板で回答する様に指名され問題を解きました。最終的な答えはあっていたので満足感で席に付くと、先生はこう言って私が悪戦苦闘して書いた解答を躊躇無く消しました。「この解き方は美しくない!」と。数学と算数の違いはそこにある気がします。回答だけを求めるのでは無く、回答が出るまでの過程も大切だという事です。昨日折原一(おりはら・いち)さんの「螺旋館の奇想」を読んでふとこんな事を思いました。折原氏は叙述トリックの第一人者で、私も事ある毎に読んでは堪能しています。今回のこの本は1990年に「螺旋館の殺人」というタイトルで出版された物を、加筆を加えてタイトルも新たに文庫化された一冊です。冒頭から作者の「さー読者を煙に巻くぞ!」という感じの始まり方です。しかし初期の作品だけあって途中でカラクリが見えてきてしまいます。まーそれでも最後まで面白くは読む事が出来ました。しかし答えが出ても何故かスッキリこないんです。そうです長々と冒頭に書いた「この解き方は美しくない」からです。答えは合っているし、辻褄も強引ながらあってます。なのに何処か座りごご地の悪い読了感が残ります。折原氏の作品はミステリーという数学の様です。事件の解決の過程こそが重要というの良く分ります。私の様な文系頭には到底書ける筈も無いロジックを毎回構築する事は大変だと思いますが、この作品には綿密さにが欠けている気がします。

|

« 引き算の料理 | トップページ | 素材は違っても味は同じ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 算数でなくて数学:

« 引き算の料理 | トップページ | 素材は違っても味は同じ »