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2007年2月 5日 (月)

黙して語らず

同じ作風を誰も撮ることが出来ない独自の映像世界観を持つジム・ジャームッシュ監督の最新作「ブロークン・フラワーズ」を観ました。今回は前作「コーヒー&シガレッツ」の流れか主演をビル・マーレィが務めています。今までのジャームッシュ作品とは違い内容は物凄く分りやすい話になっています。若い頃から数々の浮名を流した年老いた主人公の元に、ある日差出人も住所も無い一通のピンクの手紙が届きます。中にはあなたの子供が居ます。もう直ぐ会いに行くかもしれませんのでよろしく、といった感じの内容が書かれています。驚いた主人公は以前付き合った彼女の元を一軒一軒捜して訪問していきます。そこでの昔の彼女の新しい人生を見る事で自分の気持の中に様々な変化が起こります。結果的に子供も現れる事無く、主人公の生活には何の変化も無いのですが、確実の心の中に何か感情が膨れ上がったのを感じさせて映画は終わります。これは完全にロードムービーの部類に入ります。旅をそんなにするわけではありませんが、人生の旅を見つめ直すという意味でのロード・ムービーです。先述しましたが今までのジャームッシュ作品と比べるとかなり分りやすい内容です。しかしポイント・ポイントに彼らしい仕掛けが満載です。冒頭に登場するピンクの手紙が重要なキーワードとなっているので、所々でピンクの小物が上手に使われています。また相手役の女優陣も豪華です。シャロン・ストーン ジェシカ・ラング ティルタ・スゥインドン ジュリー・デルビー が出演しています。作品自体2005年のカンヌ国際映画祭グランプリ受賞しています。ジャームッシュ好きとしては賛否両論の映画だと思いますが、ある意味大人になったジャームッシュ作品の新たな一作であることは間違い無いと思います。ビルの黙して語らずの演技は何ともいえない微妙な笑いを誘います。これぞ大人の苦々しさなんでしょう。注目すべき点は映画の最後にビルそっくりの若者が出てきて、ここにも俺にそっくりな若者が居るなーと主人公が感じるシーンがあるのですが、実は本当の息子(ホーマー・マーレィ)だそうです。この辺りも監督の笑いのセンスを感じる事が出来ます。

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コメント

ジュリー・デルビーは、結構好きだなー。

投稿: とやま | 2007年2月 7日 (水) 23時00分

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