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2007年1月 8日 (月)

人間社会への警告

男女平等が叫ばれて久しく経ち、社会生活の中でもかなり同権な状態になってきました(女性の中にはまだまだと御怒りになる方が居るかと思います・・・)。しかしどう足掻いても男性と女性では違うと所は沢山あります。女性の本当の所の気持ちは永遠に男性には分らないし、逆も同じです。男性に一番理解出来ない女性の特権に出産があります。こればっかりは幾ら気持ちが通じ合っていて理解し様と努力しても、殆どの気持ちを男性は理解していないと思います。そんな出産を軸にしたホラー(?)小説を読みました。その名も「K・Nの悲劇」と言います。作者は高野和明さんで、「13階段」で47回江戸川乱歩賞でデビューした方です。以前のブログで二作目の「クライヴディッガー」について書いた事があります。この本が三作目です。映像畑出身の方だけあり、どの作品も読んでいると自然に頭なの中に映像が浮んできます。今回の話も出産における妊婦の精神障害と子供の頃のトラウマ、加えて親友の死に纏わる霊現象を旨くミックスした物語に仕上げてあります。何でも無い話なんですが、最後までグイグイ引き込まれていきます。最後の大立ち回りなんかは見事に映像が頭に浮かびました。この辺りは流石としか思えません。十分合格点あげられる作品です。この本を読んで一番印象に残ったのは、主人公のノン・フィクションライターが取材で犬・猫処分所を訪れて余りの多くの動物が年間処分される事に憤っていたら、実は人間の子供が堕胎される数のほうが多いという点です。人間は罪深い生き物ですね。子供を安心して産めない社会がいけないのか?何がいけないのか分りませんが、少しショックを受けました。この本は人間社会への警告の意味をも持った一冊だと思います。

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