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2007年1月15日 (月)

時効寸前の出版

出す本総てが外れが無いと評判の横山秀夫氏の幻の処女作「ルパンの消息」を読み終えました。この作品が書かれたのは今から15年前以上の事です。故に小説の内容に昭和の香りが漂います。三億円事件と高校での何でも無い悪戯を絡めたミステリーに仕上がっています。この本は第9回サントリー・ミステリー大賞の佳作を受賞し、横山氏が専業作家へと転身するキッカケとなった記念すべき作品です。その作品が物語りと同様時効寸前で陽の目を見る事になりました。本の表紙も工夫が凝らされています。今はもう見る事の無い覗く事が出来るくらいの大きな鍵穴のついた古いドアノブが掲載されいます。実際の鍵穴同様に中がくり抜いてあり、数字の断片が覗けるようになっています。読む前に見ると、これはいったい何の意味があるんだろう?と不思議に感じます。しかし読み進めて行くと、その存在すら忘れて話の世界に嵌り込んで行きます。流石に処女作だけあって荒さや勢いだけ感は否めませんが、それでもそこらへんの凡庸な作家とは違うという存在感を既に感じる事が出来ます。個人的には三億円事件と絡めるのはどうか?と思いますが、横山氏が作家になる前にやっていた新聞記者時代にどうしても書きたかったテーマなんではなかったんでしょうか。勝手にそう推測します。もしそうなのであれば今の熟練した技法でもう一度横山氏なりの解釈で三億円事件をテーマにした作品を書いて貰いたいものです。話はそれましたが、表紙の数字の事を忘れかけた頃にその数字が物凄く重要な証拠になる事が判明します。思わず上手い!と叫びそうになります。15年もの間陽の目を見なかった作品ですが、十分楽しめる佳作です。

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