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2006年12月23日 (土)

異空間こそが日常

先週ニ年ぶりに京都に行ってきました。昔から京都に対する想い入れが多少あり、何かにつけては訪れている場所です。古のお寺や神社が今の高層ビルや御店と混在する不思議な空間です。近代的な町並みを歩いていると、ふと現れる昔からある小さな神社が物凄く異様な違和感を感じさせる瞬間があります。でもそれは私が旅行者で余所者だから感じる事なんでしょう。京都に昔から暮らす人達にはこの異空間こそが当たり前の日常なんでしょう。偶然京都に行った後に読んだ本があります。未だ京都の町並みや香りが残っている内に読んだので、頭の中にリアルな描写が浮かび何時もの倍楽しめました。その本は森山東(もりやま・ひがし)氏の「お見世出し」といいます。この本は2004年に第十一回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した作品なので前から気になっていました。同名タイトルの短編と他二作品が収められています。二作品は舞妓さんに纏わる伝説や噂話を下地に書かれ、もう一話は伝統的な扇造りの職人の話をベースにしてあります。いずれも現在の京都に何から形に残る言い伝えなどが上手に物語りの核を形成しています。筆力も中々で非常に読みやすい一冊と成っています。作風から同ホラー小説大賞の「ぼっけぇ、きょうてぇ」との類似を指摘されていますが、個人的には全く気になりませんでした。京都の町には昔から作品に出てくる様に様々な風習や忌み事が確実に存在していました。現在では形だけの行事や慣わしになっている感がありますが、その風習が出来た頃には確実に何か異形の物が存在していたに違いありません。その異形の物を封じ込める為に出来上がったのが多くの神社仏閣や歳時記に行われる風習なんでしょう。先程も言いましたが、昔から京都に住む人にはそれが当たり前の事として日常生活に溶け込んでいます。その辺を上手く今の物語として纏め上げています。個人的には物凄く興味深く読む事が出来ました。先週行った祇園の先斗町や木屋町の様子が頭に浮かびちょっとしたバーチャル体験でした。早く自作が読んでみたい作者の一人です。それにしてもホラー大賞は面白い人を発掘しますね。

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コメント

けんさん、ブログ訪問、コメありがとうございました!始めは独り言だけで、ネットに残すことないんじゃ?ってゆ~ぐらい淋しいものでした。で、トラックバックをやっと最近覚えて、それから少しずつ皆さん来てくれて・・・・。涙ものです。あとは相互リンクってのやりたいんです。同じ音楽好きな方々がせっかく来てくれているご縁を大切にしたいんです。
京都は本当に新旧混沌ですね。でもなにか惹かれる。モ少し近代化し、かつ、古き良きものは残り、で「ブレードランナー」みたいな都市になっちゃう??かなぁ?
ありがとうございました。また寄らせてもらいます。

ベースマンとし。。。。

投稿: ベースマンとし | 2006年12月23日 (土) 16時37分

すみません・・・・。マグさん。。。。ニックネーム。m(_ _)m

投稿: ベースマンとし | 2006年12月23日 (土) 16時38分

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