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2006年12月 7日 (木)

押入れの中に眠っていた日記

NIFTYのメンテナンスで二日書き込みが出来ませんでした。楽しみにしていた方お待たせしました(そんな人居ないか?)。二日分のパワーで書きます(笑)。何時の世代にもその世代にしか分かり合えない話題というものがあります。その世代を少しでも外れると全く話についていけないピンポイントの話題です。小説やドラマのネタとしては理解できる人を初めから絞ってしまうので結構リスクのある選択だと思いますが、五十嵐貴久さんの「1985年の奇跡」という一冊の本はそのリスクにチャレンジした勇気ある一冊でした。以前のブログでも書きましたが、五十嵐氏は「リカ」というホラータッチの作品でデビューしましたが、そのイメージを払拭するかのように出す本出す毛色の違う作品で読者を煙に巻いています。前回読んだ「FAKE」が個人的に結構嵌りましたので遡って旧作のこの本を読んでみました。ベースは何処にでもある普通の高校生の野球部の話。目標も目的もなくダラダラ毎日を過す野球部員のある一瞬を切り取った話です。そこに出てくる日常が正に私達の世代にドンピシャ(死語)なんです。放課後の買い食い(旨くないけど量が多くて安い喫茶店)・テストの話題などリアルタイムで自分の高校時代に経験した事が書かれています。そして極めつけは「おにゃんこクラブ」の話題です。ストーリーの中の所々に「おにゃんこ」ネタが登場します。いやー懐かしい!でもこの世代の人以外にはどうなんでしょう?と疑問に思うくらいピンポイントなんです。作者の五十嵐さんは私より6歳ほど上、リアルタイムの私たちが高校生だったですからもう20歳過ぎだったはず。結構大人でも「おにゃんこ」世代なんですね。でも考えてみれば今の「モー娘」人気を支えているのは20歳以上の人達だから同じですね。さて肝心の内容ですが、五十嵐氏の持ち味らしくサラッと読めます。タイトルに(奇跡)と付いていますが、物凄く大きな(奇跡)が起こる訳ではありません。しかしあの時代に高校生だった主人公達(自分も含めて)には、あの時代の一瞬・一瞬の何気ない出来事や偶然は紛れも無く(奇跡)と呼べる感動や印象を残したものです。その想い出を上手に描いていると思います。押入れに眠っていた昔の日記を見つけて読み直した気分です。それにしても五十嵐氏は本当に掴み所無いですね。一作ごとに全く違いますから。以前のブログには本人からコメントを直に頂きました。今回もあるかな?

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コメント

あけましておめでとうございます。
というわけで、本人でございます。

五十嵐は(一部では知られた話でございますが)
某出版社で「夕焼けニャンニャン」担当の編集者をしていたことがありまして
だから「夕焼けニャンニャン」について異常に詳しかったりするのでございます。
その辺の事情を知らないと(←いや、知ってる方がおかしいんですけど)「年齢差があるのに、この人はどーして詳しいのか」とおっしゃるような書評家の方までいらっしゃるようなので、あえて説明してみました。新刊「パパとムスメの7日間」もよろしくお願い致します。では。

投稿: 五十嵐貴久です | 2007年1月 3日 (水) 20時44分

五十嵐様

 こちらこそおめでとうございます。そうですかそういった経歴があったんですね。知りませんでした。昔とった杵柄というやつですね。今年も面白い作品頑張って書いてください。読み手は勝手な事ばかり言いますが、応援しています。

投稿: マグ | 2007年1月 4日 (木) 10時03分

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