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2006年12月13日 (水)

愚かである事の美学

通常新刊の書物は中々読む機会が無い私ですが、読書友達の恩恵で新しい作品を予想以上に早く読む事が出来る機会があります。今回もどうしても速く読みたかった作品を借りられる事が出来ました。原りょう(はら りょう)氏の9年ぶりの新作「愚か者死すべし」です。原氏はレイモンド・チャンドラーの正統的なハードボイルドスタイルを継承した唯一の日本人として認知されています。前作「さらば長き眠り」からタイトル通り長き眠りに入ってしまい、フアンをドギマギさせて居ました。そして満を持して新作が登場しました。これだけ待たせたのですから期待するなと言う方が酷な話です。私自身かなり期待して読み始めました。読み始めて直ぐに気付く事は、良くも悪くも何も変っていないという事実です。原氏の作品としては想像通りの出来です。しかし9年の歳月を待たせただけの感動があるかというと(?)マークです。過去の三部作に比べると軽さが気になります。加えて設定が現在進行形にも関わらず今の色が少ない気がしました。伝統的ハードボイルドの手法をとっているのですから新しい物や奇抜な物を求めてはいけないのは重々承知していますが、新シリーズの幕開けとしてはもう一捻りあっても良かったかと思います。古典を守るのは素晴らしい事です、しかし世の中は日進月歩で変化しています。頑な部分は勿論探偵小説には必要な事ですが、少し時代の香りがしても良いような気がします。携帯も無い・パソコンも無い・乗っている車も年代物。普通の人から見ると愚かで化石の様な存在ですが、そこにある男の美学にはどうしても嵌ってしまいます。後書きによると原氏はこの第二期シリーズは早く書けるような事を言っていました。その言葉に嘘が無ければ来年辺りには続編が読めそうです。明日は京都に行くためブログ書けません。あしからず。

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コメント

加藤です。
今週号のAERAで来年発売の村上春樹訳「ロング・グッドバイ」の特集をやってました。その中で原さんのコメントも紹介されており、チャンドラーの新訳への期待を述べておったのですが、これを読んで、「そんなことより新作がどーなってるのか聞けよ、インタビュアー」とツッコミを入れた人が(私を含め)相当数いたのではないでしょうかね。

投稿: 加藤篁 | 2006年12月13日 (水) 20時25分

ゴールド・フィンガー加藤様。コメントどうもです。本当早く続編出せよ!て感じですよね(笑)しかし何時も古本になってからしか読まない私が偉そうな事いえませんね。貸していただきありがとうございました。

投稿: マグ | 2006年12月16日 (土) 12時43分

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