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2006年11月21日 (火)

固ゆでし過ぎて殻が剥き難い

「本書は、ノンフィクション・ノヴェルの形式に関するあれこれな定義から自由な立場で書かれている。(中略)その意味で本書は、事件のほぼ正確な、そして唯一の記録である。また、事件の記録からなんらかの教訓を導き出そうという考えを、本書はとらない」と物語の初めに記述してある本を読み終えました。打海文三(うちうみ ぶんぞう)氏の「ハルビンカフェ」という本です。打海氏は92年に「廃夜」という作品で第13回横溝正史賞優秀賞を受賞してデビューしました。一部のマニアからは物凄い高い評価を得ていたみたいですが一般レベルでは認知度はかなり低かったみたいです。それがこの本書でブレイク!「このミステリーがすごい!2003年」で5位に入賞した事で一気にミステリーファンの間にも名前が知れ渡りました。そういう私も本書で打海氏を知りました。2002年には発売されていて私自身も2年前には手に入れていたのですが、近未来の架空都市という設定や文章の難解度が高く少しだけ読んでホッタラカシにしておいた一冊でした。それがこの度呼んでみようかという気になり読破しました。感想はやはり難解です。ミスステリーの形式をとったハードボイルドなんですが、様々なテーマが複雑に交差していきます。愛情劇・復讐劇・組織の対立・女性キャリアの意地など、兎に角様々な話がこれでもか!と詰め込まれています。短い章毎に語り手がめまぐるしく代わります。その数なんと16人です。そりゃ書いている本人でなければ一読だけでは総て理解するのは無理ってもんです。しかしよくよく考えると納得がいきます。それは初めに記した前書きを再読すれば理解できます。この本は物語として整理された物ではなく、とある事件の正確な記述でしかないのであるから・・・。そう理解して読めばこの難解さも許せるのかもしれません。文体は紛れも無いハードボイルドですが、余りにも固ゆでし過ぎて理解に時間がかかるのは否めません。特に私のような完全文系のユルイ頭の持ち主にはね。

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