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2006年10月 5日 (木)

自分らしく在り続ける事の難しさ

大抵の作家と言うのは自分が最も得意としているスタイルや分野が決まっています。中には作品毎に作風や文体を変えるつわものも居ますが、基本的には良くも悪くもその人の持ち味は変わりません。昨日読了した馳星周(はせ せいしゅう)は正しくそんな典型的な作家だと思います。馳氏は御存知の通り「不夜城」(第18回吉川英治文学賞受賞)で衝撃的デビューを飾りました。一躍今まで無かったアジアン・ノワールという分野の旗手となりました。日本を含めたアジアを舞台にした様々な人種とイデオロギーの入り混じった馳氏にしか書く事の出来ない雑多な無国籍世界観を構築させました。その後も同じ様なスタイルで作品を出しつづけています。「鎮魂歌 不夜城Ⅱ」(第51回日本推理協会賞)「漂流街」(第一回大藪春彦賞)と世間的にも内容的にも認められる作品が多くあります。私も古本屋で見つけるたびに何かと購入しては読んでいます。昨日読んだのは「マンゴー・レイン」という作品です。タイのバンコクを舞台にしたノワール物です。良い意味でも悪い意味でも何時もと全く変わる事の無い馳節です。自分は馳氏の世界観が嫌いでは無いので普通に読みきる事が出来ましたが、この作品に対しての世間の評価はかなり厳しいみたいです。確かに何時もの作品に比べると主人公が頭悪すぎで冷酷さも足りません。話の展開もこれまでの作品と比べると今一つかもしれません。でも馳氏のスタイルとしては王道です。出す本総てが名作という訳には行かないと思うので全然ありだと思います。今後これまでと同じスタイルで行くのか、全く違う道に挑戦するのかの分岐点に差し掛かってきた作品だと思います。新しいものを求めて変わり続ける事は大変だし勇気もいりますが、自分らしく在り続ける事はそれ以上に大変な気力と労力がいります。さて馳氏はどうするのでしょうか?今後が楽しみです。

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コメント

こんばんは。
前の火曜に気づいてたので言おうかと迷ったのですが、
正しくは「はせせいしゅう」ですね。
こういう思い込みによる間違いって結構ありますよね。

投稿: 加藤 | 2006年10月 5日 (木) 22時18分

やばっ!勘違いしてました。直しておきました。これからも御指摘お願いしますね。

投稿: マグ | 2006年10月 6日 (金) 00時44分

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