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2006年10月20日 (金)

あの手・この手

ミステリー小説の世界はハッキリ言って飽和状態です。出版社が毎年開催する新人募集のコンテストは大半がミステリーです。少なくとも様々なコンテストの受賞者や佳作者のデビューだけでも10人くらいは新人がミステリー分野に登場します。加えて過去にデビューしたミステリー畑の人達、ミステリー畑にも入ってくる純文学分野の人などを数えると一年で一体何百作のミステリーが世に放たれている事でしょう?それを考えると全く新しいトリックや犯人など産まれるのは奇跡に近いほど、様々な手法はやり尽くされています。故にミステリー分野の人達もトリックや犯人当てに固執するのではなく脱ミステリー風の筆力で読ませる作品も増えています(宮部みゆき・東野圭吾などはその筆頭でしょうか)。昨夜読了した一冊は正しく脱ミステリーだし作者の新しいものを作り上げようという思いの伝わる一冊でした。その本は歌野晶午(うたの しょうご)さんの「女王様と私」という作品です。歌野氏は3年前に「葉桜の季節に君を想うということ」という作品で大ブレイクした作家です(日本推理作家協会賞・本格ミステリー大賞受賞)。以前にも「ブードゥ・チャイルド」「世界の終わり、あるいは始まり」などの佳作は残していたのですが、売上・内容ともに世間の認知をされたのはこの作品でした。歌野氏の作品は所謂読み手をミスリードしていく手法の本が多く、最後に騙された!と気付く大どんでん返しが売りであります。傑作「葉桜・・・」は正にミスリード手法の傑作でした。さて今回の作品ですが同じく読み手の思い込みを利用して真実から目を逸らさせる仕込みが沢山してあります。加えて主人公が44歳のオタクで、相棒がロリコン人形。はっきり言って歌野氏の作品でなければ絶対に手にとらなかった内容と装丁の本です。評価は可も無く不可も無くです。只普通シリアスになりすぎる感のある題材をオタク言葉やギャル語を多用する事によりコミカルなタッチで話が進んでいくのは今までに無い書き方ではあると思います。決して筆力のあるタイプではないので苦肉の策という感じは否めませんが・・・。総てが出尽くした中で他に無いものを作り出そうとする作家の人達の苦悩が伺えます。努力賞はあげられる作品です。

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投稿: e-アフィリ | 2006年10月20日 (金) 13時53分

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