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2006年8月14日 (月)

ドキュメンタリー風小説の真髄

ただ今物凄く熱中して読んでいる小説があります。乃南アサさんの「晩鐘」という小説です。今日あたりに読み終えそうなんですが、この小説に付いて書く前にどうしても先に紹介しておかないといけない本があります。それは同じく乃南アサさんの「風紋」という小説です。「晩鐘」という小説は「風紋」の続編にあたる小説です。乃南アサさんの本は直木賞受賞作「凍える牙」は勿論、何冊か今までに読んできましたがそれ程感動を感じた本は正直ありませんでした。しかしこの「風紋」は今までの認識を覆す程の傑作です。ある殺人事件を通して、被害者の遺族と殺人者の関係者の事件後に起こる様々な波紋をじっくりと描いた小説です。普通のミステリーなら何故殺したのか?とか誰が殺したのか?などに重点が置かれるの対して、この小説はそこにはあまり触れずに関係者の心境や波紋について事細かに綴ってあります。勿論フィクションなんですが、まるでドキュメンタリーの様な書き方がされています。事件は裁判が終われば総て解決するように思われますが、実際はその後も遺族や関係者の中では事件は終わっておらず、様々な因果や心の傷に悩まされながら生きていかなければいけません。その部分を物凄く丁寧に事細かな心情の変化まで描ききった傑作です。個人的には乃南アサさんの最高傑作ではと思っています。それが7年後のそれぞれの生活のその後を描いた「晩鐘」が出るなんて思いもよりませんでした。そしてこれがまた面白い!明日には読み終えているの続きを書きます。

 

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