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2006年7月25日 (火)

広げた風呂敷の畳み方

デビュー作(実際は二作目ですが)「時の渚」が個人的には非常に面白かった笹本稜平氏の山岳冒険大スペクタクル小説「天空への回廊」を読み終えました。エベレストの山頂付近で繰り広げられる国際犯罪物語です。テロリストやアメリカ政府、そして実際の国際情勢さながらに中国やロシアも絡んだ非常にスケールの大きな話でした。まーそこそこ面白かった感じです。前作のこじんまりした感じの方が私には合いました。大風呂敷を広げたまでは良かったんですが、畳み方が今ひとつという感じでした。この話を読んでミステリー好きならどうしても思い浮かぶ本があります。(昨日に続いてなんですが)そうです真保祐一氏の「ホワイトアウト」です。織田祐二主演で映画化までされた大ヒット作品です。こちらは山頂ではなく雪に閉ざされた巨大ダムでのテロリストとの戦いを描いたスペクタクルでした。設定に違いはあれど何の関係も無い一人の男が個人的な誇りだけで戦いを挑む形は全く同じです。エンターテイメントとしても文章のリズム感も話の展開の妙も、比べてしまうとやはり「ホワイトアウト」の方に軍配が上がります。但し笹本氏には真保氏には無いハードボイルドの香りが感じられます。まだ新人なのでこれから物凄い作品を書く予感のある作家には違いありません。引き続き読み続けていこうとは思います。この作品で一番印象に残ったのは、「不思議なもので後数メートル山が高かったら人間が自分で登る事が出来なかった。世界で一番高い山は人間の限界と同じ高さになっている」といった感じの記述です(書き方は違いますが)。これは事実だそうです。だとしたら神と交信出来る唯一の場所だったのかもしれませんね。世の中には不思議が未だ沢山あります。

 

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