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2006年7月17日 (月)

いぶし銀の文体

ハードボイルド好きの友人から教えてもらったトレヴェニアン「夢果つる街」を読み終えました。ハードボイルドとは一般的にダシール・ハメットが創りあげ、レイモンド・チャンドラーが完成させた探偵小説であります。私も20才の頃この世界に嵌り過去の名作を読み漁った時期がありました。やはり元祖の文体や世界観は凄く感動を覚えました。しかしその後数々の新しいハードボイルド作品を読みましたが、中々満足するものには出会えなかったのが実状でした。そんな現状だったので暫くハードボイルド小説から離れていたのですが、出会った友人にそそのかされ(?)また読み始めました。さてこの「夢果つる街」ですが個人的には結構好きな作品でした。一応殺人事件の捜査が重要な物語の進行の中心なのですが、そんなことはどうでもよく事細かに描かれる登場人物のキャラクターの面白さがジンワリと浮き上がってきます。銃撃戦やハードなアクションも無く抑えた文体でじっくり読ませてくれるいぶし銀の一冊です。何処か懐かしい王道ハードボイルドの香りがします。又この作品はお酒が沢山登場します。ワインやウイスキーは勿論、ウーゾ(アニスの香りのするギリシヤの蒸留酒)・シナップス(ドイツの40度ある蒸留酒)・デュポネ(フランス産赤ワインにキノ皮をブレンドして熟成させた酒)・アルマニャック(フランスのアルマニャック地方で造られるブランデー)などが所どころに顔を出します。やはりハードボイルド小説はお酒抜きでは語れませんね。久方ぶりにバーテンダーとしての血が騒いだ一冊でもありました。

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