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2006年6月17日 (土)

作家の持つ(光)と(闇)

どんな人間にも裏と表はあります。それは決して悪い事では無く人間の本能です。正常な人間はその闇の部分を理性で制御しながら生きています。実生活では出せば犯罪になるその闇の部分を制御する事無く出せるのが小説や映画の虚構の世界です。その分野で物凄い評価を得ている人がいます。第七回メフィスト賞の「血に塗られた神話」で鮮烈なデビューをした新堂冬樹氏です。作家になる前に金融業に勤めていた経歴を生かし闇金の怖さみたいな話が殆どでしたが5作目「カリスマ」で偽宗教の洗脳の模様を圧倒的な筆力で新境地を見せてくれました(個人的には一番の大傑作です)。兎に角暴力描写が凄い作品が多く、その筋では先輩の花村萬月氏を凌ぐ程の書き殴りです。さてそんな新堂氏の「アサシン」という作品を昨日読みました。帯に「レオンより甘く、ボニー&クライドより切ない」と書いてあったので何となくの内容は想像ついたのですが、案の定そんな何のひねりもない内容でした。リュック・ベッソン監督の「レオン」と「二キータ」(アメリカ版リメイクはそのままアサシンでした)の美味しい所取りの内容の薄い作品でした。何時もの暴力描写も無くストーリーも先が読めすぎで全くドキドキしませんでした。決して暴力描写が好きなわけではありませんが、その作家の持つ持ち味がその点にあるなら好意的に受け入れてます。最近新堂氏は純愛物ばかりを好んで書いているそうです。同じような作品が続いたからか、極悪物ばかり書いていた反動か、それとも元々持っている光の部分なのか何故だかは分りません。私個人としては純愛物は評価は低いです。でも本人が書きたいと言うのを読み手がとやかくいう事は出来ません。純愛物のお蔭で女性フアンも増えたみたいですからね。個人的には暫く新堂氏の作品からは遠ざかりそうです。未読の「吐きたいほど愛してる」だけは捜して読んでみるつもりです。タイトルから凄そうだしね。

 

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