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2006年5月21日 (日)

この作品は俺の代表作になるかもしれない。

大が付くくらい好きな作家花村萬月氏の「百万遍 青の時代」を読み終えました。上巻406ページ・下巻467ページの超大作です。萬月氏の作品は「♂♀」以来だし、この分厚さの大作は「風転」以来です。はっきりって最近少しあまり面白さを感じていなかったので離れていました。しかし古本屋でこの本が目にとまり帯に「この作品は俺の代表作になるかもしれない」と自らのコメントが載っているのを見つけた瞬間にレジに向かっていました。偶然時間的な余裕もあったし面白かったので三日で読み終える事が出来ました。内容は良くも悪くも何も変わっていません。直木賞を受賞した「ゲルマニウムの夜」と同じような設定です。家庭環境が異常で素行の悪くなった主人公がカトリック系の施設(学校)を出てひたすらダラケタ生活を送ります。その課程で様々な人に出会い暴力行為と性行為を繰り返します。それ以上でもそれ以下でも無いです。なのに芯に哲学があるんです。萬月氏自身が自叙伝風作品と言っているので自らの過去に実際起こった事や感じた事も書き込まれている感じがします。故に何時もの萬月氏の作品よりは暴力行為もユルイし、性行為の描写もどこか若いです(この辺はワザとそうしていると思いますが)。時代も生活環境も違うのに萬月氏の作品を読むと、何時も自分と重ね合わせてのめり込んでしまいます。今回もそうでした。作品のレベルや感動からすると今までの作品より落ちるかもしれませんが一気に読めました。ただ日常の事を書いているだけなのに引き込まれてしまいます。聞く所によるとこの作品は四部作になる予定で今回の上下巻が一部目だそうです。何にも変わりそうにもないけど読んじゃうんだろうなー。何故かと聞かれれば大好きだからである。

 

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