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2006年5月14日 (日)

久方ぶりに鳥肌たちました

連城三紀彦さんの「白光」を読み終えました。この作品は2002年に発売されたミステリーです。連城氏はこの年に長年休んでいたミステリーを復活し「白光」と「人間動物園」の二冊を発表し、どちらもかなりの好評価を得ました。ミステリーのベスト10などでは「人間動物園」の方が上位に来ていたので先に読んでみました(先月のブログに書いてあります)。確かに物凄く練られたトリッキーな作品でした。謎解きやトリックが好きな人には堪らない作品だと実感しました。しかし私にはそこまでの感動はありませんでした。ミステリー好きと公言している割に謎解きや犯人当てがあまり好きでないからです(なんじゃそれは!という声が聞こえてきそうですが)。ミステリーを軸にした人間模様みたいな物が深く書かれている物が好きなんだと思います(分りやすく例を上げると東野圭吾氏の「容疑者Xの献身」より「白夜行」の方が断然好きです)。さてこの「白光」ですが個人的には大傑作でした。一人の少女が殺されます。さてその犯人は?という王道の謎解きなんですが、犯人をあてる事に重点を置いているのではなく、そこに絡む複雑な人間模様を丁寧に描き出しています。故に犯人が分ってもスッキリしないし切なさや憎悪だけが残ります。読んでいて鳥肌たちました。一時期ミステリーから離れ純文学路線に行っていた事がこんな形で成果が出て来ましたね。個人的には久方ぶりの傑作だと感じました。凄い作品です。

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