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2006年5月28日 (日)

元コピーライターの書く文章

コピーライターという職業がもてはやされた時代があります。そうですバブルと呼ばれた時代です。世の中にお金が有余り消費文化が蔓延り、必要な物は総て揃い人々は買うものを模索しないと無い時代でした。その気風に載って登場したのがコピーライターという職業です。人々に購買意欲があった時代は商品の素晴らしさや使いやすさを宣伝すれば物は売れましたが、物が有余るとそれでは売れません。その商品にまつわるお洒落なライフスタイルまで宣伝しないといけません。コピーライターは様々な言葉を駆使し商品そのものよりも違った角度で商品をプレゼンしました。さてこのコピーライターから作家になった男がいます。その名を「石田衣良・いしだいら」と言います。TVドラマ化された「池袋ウェストゲートパーク」で鮮烈なデビューをしました。現代の若者のライフスタイルを斬新な文体で捕らえて文章化した短編集です。そして初の長編作「きれいな子ども」を昨日読みました。神戸で起こった少年Aの殺人事件を元ネタにした話で、ミステリーというよりは一人の少年(現代の若者)の成長記です。世間での評判はすこぶる良いのですが私個人としては物足り無い本でした。少年の心の葛藤も奇麗事過ぎるし、マスコミや学校での嫌がらせも何処か冷め過ぎています。良く言えば人間を優しい目で見ている感じで、悪く捕らえれば物凄く表面的な部分しか見てなく、人間本来が持つ心のそこにある悪意みたいなものが全く伝わってきません。よくよく考えれば元コピーライターという経歴で納得がいきます。今までと違う側面で文章を書かないと売れない時代なんです。その点のリサーチ力は凄いですね。現在の若者が求めている文章や題材をよく分っているという事です。現に「4TEEN」で直木賞受賞してますからね。親父の年齢に達する私には主人公と距離感のある作品ですが、この距離感が今の若者には心地の良い距離感なんでしょうね。好き嫌いは別にして読みやすい文章です。一日で読み終える事できますからね。

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