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2006年4月 1日 (土)

叙述は呪術

昨日紹介した「折原一」氏はミステリー業界では「叙述トリック」の盟主とされています。「叙述トリック」とは(ミステリーにおいて文章の言い回しなどを用いて意図的に読者のミスリードを誘う手法)です。折原氏は長編デビュー作「倒錯の死角」から既にこの「叙述トリック」を駆使して話題を呼びました。「沈黙の教室」で日本推理作家協会賞を受賞しましたが、その後は大きな受賞は何もありません。それでも私は好きで何作も読んでいます。特に「~者」と付いた者シリーズは意識的に嵌って総て読みました。「誘拐者」「漂流者」「遭難者」「冤罪者」「失踪者」そして昨日紹介した「沈黙者」です。どれも巧妙な「叙述トリック」が施されています。物凄く騙されるものもあれば、それは無いだろうと納得の行かないトリックもあります。しかし概してよく練りこまれたミステリーだと思います。折原氏の真骨頂はこのトリックにあります。その部分が好きな人には物凄く面白い本だと思いますが、その分人間があまり深く書かれていません。感情移入がし難いので嵌らない人には薄っぺらい話に感じるかもしれません。勿論私は嵌った一人です。呪術のように折原氏の術中に溺れ逃げ出せなくなります。そう思うと自分で気づいていないだけで騙され易い性格なのかもしれません。

    

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コメント

「叙述トリック」の話ではなくて恐縮ですが
「呪術トリック」の類の話で言うと
中島らもさんの「ガダラの豚」が面白かったです。
一気に上下巻読んでしまいました。

投稿: S太郎 | 2006年4月 2日 (日) 11時04分

S太郎さん毎度です。カダラの豚は私も大好きです。らもさんの本は総て読んでますがやはりこの本が一番でしょう。今夜総てのバーでを推す人も多いですが、やはり面白さで言えばおの本ですね。その内ブログにらもさんの話書きますね。

投稿: マグ | 2006年4月 2日 (日) 13時04分

私もらもさんの本は最近のやつを除くとほとんど持ってます。
今また押入れの本棚から引っ張り出して読み直してますが
「中島らものたまらん人々」等は電車の中で肩を震わせ
笑いをかみ殺しながら読んでます。
今度、映画「寝ずの番」も見に行くつもりです。

投稿: S太郎 | 2006年4月 4日 (火) 00時55分

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