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2006年2月25日 (土)

パルプ小説の様な純文学

私が何気なくこの本を手にとったのは本屋で平積みされた本の帯に北方謙三氏のコメントが載っていた事からです。「萬月。なにが悲しくて、こんな小説を書く」の一説に物凄く心惹かれたからです。元々ミステリーしか読まない私ですが学生の頃チャンドラーを機にハードボイルド小説を読み漁った時期がありました。その時の想いが急激に蘇り購入したのを覚えています。その運命の一冊「ブルース」で花村萬月に嵌りました。それはもう嵌ったという簡単な表現では表しきれない程溺れたのです。それから一気に出版されている著書を読破しました。萬月さんの本の傾向は大きく分けると四本柱の気がします。①ブルース音楽やバイク物「ゴッド・ブレイス物語」(すばる新人賞)「渋谷ルシファー」「ヘビーゲイジ」「ジャンゴ」など、②ヤクザもしくは切れた男の暴力描写が凄い「笑う山崎」「二進法の犬」など、③性について独特の切り口で描く「紅色の夢」「私の鎖骨」「皆月」(吉川英治文学新人賞)など、④とことん哲学する「鬱」「風転」などです。勿論それぞれの話にそれぞれの要素が沢山入っています。訳が分からず一読するとエロと暴力だけのパルプマガジンの様な印象を受ける人も居ると思いますが、萬月氏のベースはあくまでも純文学です。それを証明するかの様に1998年「ゲルマニウムの夜」で芥川賞を受賞しました(この作品での受賞はフアンの間では疑問ですが・・)。ここ最近の著書はあまり読んでませんが勢いのある初期作品、ひたすら人生の道を哲学する中期作品どちらも面白いです。ここ数年何を書こうか模索している感ありますが、これからどんな作品を書いてくれるか楽しみな一人です。

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