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2006年2月22日 (水)

専門家が書いた禅問書

新堂響氏の「混沌(カオス)の脳」を読み終えました。新堂氏の著書を読むのは「紫の悪魔」「血ダルマ熱」以来の三冊目です。以前ブログに書きましたが新堂氏は(岡山大学医学部)卒業で豊富な医学知識をベースにミステリーを書いています。前二作に比べると難解度も高く読物としても少しワクワク感が薄かった気がします。所詮フィクションなんですから「そんな事ありえない!」という部分はあってもいいと思いますが、それなりに読者を納得させる事は必要だと思います。今回はその点が少し弱かった気がします。この本を読んで同じ脳の医学的な話でミステリー(SF?)の大傑作を思い出しました。「パラサイト・イヴ」で角川ホラー小説大賞でデビューした瀬名秀明氏の二作目「ブレイン・バレー」です。上・下巻でびっしり活字で埋まった超大作は余程興味のある人でないと手に取る事さえしない本だと思います。瀬名氏も(東北大学薬学研究科)卒業で暫くは執筆と平行して(宮城大学看護学部)の講師をしていた生粋の医学関係者です。日本SF大賞を受賞した「ブレイン・バレー」は壮大な脳の話です。科学・宗教・神の存在・人間の尊厳など様々な重厚なテーマが織り込まれています。途中脳の仕組みなどをかなり医学的に説明しているのですが難しすぎて読むのを断念しようかと思いましたが段々面白くなります。UFO事件なども絡めたりして読者の興味をグイグイ引っ張り出します。下巻に入るとノンストップで読み終えた記憶があります。10年くらい前の話なので内容に対する鮮明な記憶はありませんが、読み終えた後に何か神々しいオ-ラを感じた気がします。科学を追及すると禅問答のようなアナログな世界に行き着くから不思議ですね。瀬名氏の本はどれも難解だと言いますが筆力もあるので十分楽しめます。科学の進化は人間の苦悩を浮きぼりにするものかも知れませんね。

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