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2005年12月 2日 (金)

若くして三冠王取った男

昨日から始まった年末の交通安全週間のせいで12月に入ったとたん総てのお店が暇でした。しかし10年以上飲食店に携わっているのでこれぐらいではめげません。その時間を有効に使って読みかけの本を一気に読破しました(仕事しろよ!)。その本は垣根涼介の「ワイルド・ソウル」です。垣根氏は「午前三時のルースター」で第17回サントリーミステリー大賞してデビューした新人で、この本が未だ三冊目です。処女作の「午前三時のルースター」は読みましたが、正直それ程強く印象には残っていませんでした。しかしこの「ワイルドソウル」は傑作です。文字通り大化けした作品です。ストーリーは半分実話に基づいて書かれています。前半は外務省に騙される形で戦後ブラジルに移民した日本人の地獄のような生活が描いてあります(相当の取材をしたそうです)。後半はその生き残り達が老後をヌクヌク生きているその当時の外務省や移民会社の人間に復讐するという何でもない話です。しかし前半の地獄のようなジャングルでの生活の悲惨さ、後半の用意周到にめぐらされた復讐計画、そして登場人物それぞれの描き方が抜群に上手いです。蓋を開ければ「大藪春彦賞」「吉川英治文学新人賞」「日本推理作家協会賞」の三冠獲得だそうです。戦後のブラジルへの移民政策がこんな怠慢な政策だったとは全く知らなかったです。その当時から日本の外務省は腐敗してたんですね。今日本に出稼ぎに来ている日系二世・三世の人達は大切にされるべきですよね。あの地獄を生き延びてきたんですからね。久々に色々考えさせられたと同時に、知らないことを知れる読書の素晴らしさうまた再確認しました。

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