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2005年12月15日 (木)

積み上げた物を崩す楽しみ

昨日貴志祐介氏の「硝子のハンマー」(2004年このミステリーがすごい!第6位)を読み終えました。この本は貴志氏の6作目の著書です。10年近くで6作しか書いていないのは、かなりの寡黙な作家と言えるでしょう。しかし書いた作品6作の内3作が映画化されているのは凄い話です(「十三番目のペルソナ」「黒い家」「青の炎」)。映画化されていない話もどれも面白いです(「天使の囀り」「クリムゾンの迷宮」)。今までの作風は一作ずつ異なり本格ミステリーというよりはホラーや脱本格という感じでした。私自身ガチガチの本格ミステリーがあまり好きではないので、逆に貴志氏は好んで読んでいた作家の一人でした。それが今回は初の本格ミステリーを書いたと言うではないですか!しかも完全密室物を!それを聞いてがっかりしました。読むのを止め様とまで思ったのですが古本屋で見つけたのでやはり買ってしまいました。結果は良い意味で想像を裏切られました。ベースは本格ミステリーなんですが明らかに他の本格とは違ってました。物語は一部・二部に分けてあります。一部は密室の謎を徹底的に推理解明する話です。様々な推理を構築しては自ら崩す事の繰り返しを延々描いています。これが実に面白い!脳の奥深くまで刺激される快感です。二部は犯人の視点で書かれます。何故犯行に至ったか?完全犯罪の全容などが解明されます。トリックも良く考えられており謎が解けたときの爽快さもありますが、やはりこの本の凄い点は一部で事細かに書かれている推理の数々です。私の好きな法月綸太郎に繋がる物もあります。本格好きにもそうでない人にもお薦めな一冊です。

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コメント

こちらの本を読み終えました。古本屋をふらついていたら、
ここで見かけたよーな、記憶のある本を見つけまして。
前後半が、あのように部分けされていた構成、
幾重にもなる推理の構築と破壊には、次はなんだ?次こそは!
と、読む側がしっかりと乗せられてしまいます。
また、推理者と犯人との間には共通点もみえ、形が違うだけで
本質はそう変わらないような印象もうけました。

それと別件ですが、先日、お店で他のお客さんに薦めていただいた、
海狼伝も、読み終えました。海王伝は、図書館にあったので、
明日にでも借りに行きまーす。

投稿: とやま | 2006年7月 8日 (土) 01時50分

おっ!とやま君初書き込みですね。自分が紹介した本を読んでくれるとは嬉しいですね。買って持っている本なら何時でも貸しますから言ってくださいね。天月も週末は毎朝魚市場に行っているのお薦め満載です。ぜひ時間がありましたら来てくださいね。お薦めメニューメールで送るので、良かったらアドレス書いておいて下さい。

投稿: マグ | 2006年7月 8日 (土) 11時08分

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