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2005年12月21日 (水)

騙された!と判った時の嬉しさ

貫井徳郎さんお「修羅の終わり」を読み終えました。780ページの大作でしたが苦も無く最後まですんなり読むことが出来ました。分厚い大作はリズム感がなかったり自分に合わない作家の方はかなりの苦痛が伴いますが貫井氏は筆力があり自分に合う作風なので全く長く感じません。この本は8年前に出た本ですが中々古本で見つける事が出来ずに読む機会がありませんでした(これ以降の作品は全部買えて読んでるんですけどね)。読んだ方の感想を聞くと賛否両論分かれる作品という前情報を耳にして読み始めました。物語は三人の主人公を軸にした話が交差します。年代も一つは二十年後の話です。初めはとりとめも無く三つの話が進むので全く先が読めません。しかし一つ一つの話が独立した物語としても十分楽しめるので苦痛ではありません。公安の正義感あふれる刑事・悪徳刑事・記憶を無くした青年 この三人が何時何処でどのようにして結びつくのか?ワクワクしながら読みすすめました。結果的に最後の最後で作者に騙された事に気づくのですが、それが実に気持ちいいです。確かに皆さんが言っていた通り着地点が少し強引な気がするし、悪徳刑事の話の説明が全く無いため読み手が想像するしかない終わり方です。このあたりに不満の残る人が多いのは何となく理解できます。しかしその点を差し引いても読み応え十分の作品です。こういった作風のミステリーを(叙述トリック)と呼ぶそうです。騙し上手な作家は私は大好きです。なんたって快感がありますからね。

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コメント

貫井徳郎と言う作家の本を始めて読んだのは
「慟哭」と言う作品でした。
題材になってる連続幼女誘拐事件というものが
小説の世界ではなく現実の世の中に蔓延する
少し前くらいでしょうか。
そして、読み終わった後にすぐ購入したのが
「殺人症候群」と言う作品。
気に入った作家の本はほとんど読みつくさないと
我慢できないと言う悪癖を持つ私は
この作品が症候群シリーズの三部作の最終作
と聞いたらもう止まらない(笑)
後の「失踪症候群」「誘拐症候群」を早速買い込んで今に至ります。
・・・が仕事が忙しくまだ未読です(泣)

投稿: S太郎 | 2005年12月23日 (金) 23時14分

貫井さんの作品は最新作数冊意外は総て読んでます。この「修羅の終わり」だけ中々古本屋の100円コーナーになくてやっと読むことが出来ました。症候群シリーズも完結編の最新作「殺人症候群」だけは未だ未読です。
貫井の最近の作風はミステリーというより宗教観や生死感を問うものが多くなってきましたね。これはこれで面白いんですけどね。テーマがヘビーで読むのにパワーがいります。

投稿: マグ | 2005年12月24日 (土) 02時31分

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