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2005年11月22日 (火)

生首に聞いてみました

昨日はお店の定休日だったので、その時間を利用して前々から読みたかった法月綸太郎著「生首に聞いてみろ」を一日で読破しました。以前にも書きましたがこの本は法月さんの10年ぶりの長編新作で、「2005年度版このミステリーが凄い!」のナンバー1に輝いた本です。法月氏の本は大好きで総て読んでいる私としては本当に待ちに待った久方ぶりの長編でした。久方ぶりの長編なので読み手側の私も少し不安感を持ちながら読み始めました。しかし最初の数ページでそんな不安は直ぐに吹き飛びました。10年前と良い意味で全く変わる事の無い面白さが冒頭から読み取れました。読み易さに関しては以前より増しているかもしれません。ここ10年の間に何作か発表した非常に凝った短編の一つ一つを、まとめて詰め込んだ感じがします。石膏の首が何故切り取られたのか?という事件から話がドンドン進み殺人事件へとつながる。その殺人事件から過去の忌まわしい事件の謎が解明される。そして石膏の首の切断の意味が解明される。恐ろしく計算されたミステリーです。良くある密室ものや犯人探しではなく(勿論そういう部分も出てきますが、物語の中でさほど重要な部分ではありません。むしろワザワザ密室を用意しておいて簡単に謎を解いて一笑している感さえあります)、事件が起こらなければならなかった背景(人間関係)を細部に渡って書き込んでいます。故に犯人や謎が解けても爽快感だけが残る他のミステリーとは一線を画します。後悔と人間の業の深さみたいなものが何時までも残ります。私たち読み手側だけでなく主人公の法月探偵も、そして作家法月綸太郎氏も同じ気持ちなんだと思います。完全に個人的意見ですが傑作だと思います。ぜひ読んでみることをお薦めします。しかし出来れば以前の作品を順に読むことをお薦めします。探偵の苦悩が良く伝わりますからね。ちなみに順番は「雪密室」「誰彼」「頼子のために」「一の悲劇」「ふたたび赤い悪夢」「二の悲劇」です。長編6本なので総て読むのにそんなに時間は掛からないと思います。

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コメント

え~またまグリ姉さん(笑)の所から飛んでまいりました新太郎です。
あっ、私も文系なんで、お気を使わずに・・・(笑)
実は私も本好きでありまして、気に入った作家が出来ると
その人の本はすべて読み倒すという訳の分からん性格です。
最近は浅田次郎にはまってますが、真保裕一から中島らもさんまで
硬軟取り混ぜて乱読してます。
残念ながら法月綸太郎は未読ですが、貴志祐介は「青の炎」他2冊ほど
読みました。
また、気が向いたら書き込みさせて頂きます。

投稿: 新太郎 | 2005年11月23日 (水) 00時45分

新太郎様書き込みありがとうございます。本はいいですよね。法月綸太郎氏の本は好き嫌いあるかもしれませんが個人的には物凄くお薦めです。古本屋に行けば殆ど100円コーナーで買えると思います(もう10年以上の作品ですからね)見つけたらぜひ読んでみてください。マニアックなネタばかりですがブログ読んでくれて感激です。

投稿: マグ | 2005年11月23日 (水) 02時15分

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» 生首に聞いてみろ(法月綸太郎) 角川書店(2004年) [ゆうきの読書日記&矯正日記]
法月綸太郎の主人公が法月綸太郎のシリーズだ。2004年だかのこのミステリーが面白い大賞を受賞した作品だった(と思う)。最初、始まった時、嫌な予感がしたのだ。この人って、若いきれいな女の子をいきなり殺しちゃうことが多いし。そしたら、やっぱり………生首に聞いてみ....... [続きを読む]

受信: 2006年1月19日 (木) 14時47分

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