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2005年11月12日 (土)

10年のブランク

このブログを書き始めた頃に買いましたが私は中古物をよく買います。見たい映画や聞きたい音楽そして読みたい本が安く買えればこんな嬉しい事はありません。故に特に本に関しては中古で更に文庫の100円コーナーに出るまで買わないので新刊が出てから読むまで二年近くかかったりします。私の書評はホボ二年遅れです。そんな私が参考にしているのは宝島社から毎年出る「このミステリーがすごい」という本です。昨日古本屋で2005年版を100円で見つけたので早速購入すると嬉しい記事がありました。2005年度の国内版のミステリーの第一位は法月綸太郎の「生首に聞いてみろ」だったことです。私の大好きな作家です。この作品は長編としては10年ぶり法月探偵の続編としては12年ぶりの作品です。待ちに待った出版です。これほど寡作の作家も珍しいですが待ったかいがあるんだと思います(まだ読んでいないので偉そうな事はいえませんが)初めて法月探偵が登場する「雪密室」という二作目の本を手に取った時は「また只の密室殺人物。芸が無いなー」と感じたものです。とりあえず館シリーズの綾辻行人と同じ京大ミステリー研究会出身なので読んでみようくらいの気持ちで購入した覚えがあります。それが読んでみると他のミステリー作家とは全く違う読み応えがありました。ただただ犯人を探すのが目的ではなく読み物として十分読めます。故に出てくる法月探偵は犯人を見つけた後にも悩みます「こんな事をして何になるんだろう」と。他の作家に出てくる完全無欠の探偵では無く、非常に人間臭い探偵が登場するのが法月綸太郎の味だと思います。本人も「10年ぶりなので長編ミステリーの書き方を忘れてしまっていたのでかなり苦闘しました」とインタビューでいっています。しかしきっと傑作だと思います。早く100円で出ないかなー。多分早くて一年後ですね。まだ読んだことの無い人は出版順に読むことをお薦めします。それぞれの話は独立して読める話ですが、法月探偵の苦悩は順序を追っていかないと良さが理解できませんからね。

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